3.11から1年と3カ月たち、政府や国会の原発事故の調査・検証活動は、事故の本質には一歩も踏み込まぬまま、逆に事故の真因と責任の所在を覆い隠す格好で、終幕を迎えようとしている。 事故は福島第一原発のサイト内で起きた。首相官邸で誰かがボタンを押し違えて発生したわけではない。隣接する4つの原子炉が連続して致命的に損壊するという、世界に類例のない事故が、なぜ福島第一で起きたのか。地震・津波の襲来から外部への放射性物質の大量放出まで、当事者はどんな対策をとり、炉心と原発システムの溶融・破壊はどのように拡大・進行していったのか。それを防ぐ技術的・政策的手立てはなかったのか。