山中伸弥京都大学教授のノーベル医学・生理学賞決定のニュースは心躍るものであった。 臨床医としては手術も下手で「ジャマナカ」などと呼ばれ挫折を味わいながらも、医師になったからにはお役に立ちたいとの強い思いから研究医に転身し、皮膚などの体細胞からさまざまな細胞になりうるiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り出したことや、恩師、研究仲間たちとの信頼関係、ライバルとの戦いなどノーベル賞への道のりのエピソードはマスコミで紹介され共感を呼んでいる。私も何度か直接お話をうかがう機会があったが、「人間万事塞翁(ばんじさいおう)が馬」を信条とする柔軟でユーモアセンスのある魅力的な方であった。 日本の子供の理科離れが心配されているが、科学技術立国として理科教育の充実を図れば今後とも優秀な若者は続いてくれるに違いない。 この4月から使用の中学校教科書は、実は6年前の安倍内閣の教育再生の基礎教育充実の方針に基づいて