【今野忍、ソウル=貝瀬秋彦】菅義偉官房長官が19日の記者会見で朝鮮の独立運動家、安重根(アンジュングン)を「犯罪者」と発言し、韓国外交省の趙泰永報道官が同日の会見で「犯罪者という表現を使うことは大変遺憾だ」と批判した。 菅氏は19日午前の会見で、中国・ハルビン駅で安重根が伊藤博文を暗殺した現場を示す碑を建設する動きについて「我が国は安重根を犯罪者と韓国政府に伝えている。このような動きは日韓関係のためにはならない」と強い不快感を示した。これに対し、趙氏は同日の定例会見で「日本の帝国主義時代に伊藤博文がどんな人物だったのかを振り返れば、官房長官発言はありえない」と指摘。「安重根義士は我が国の独立と東洋の平和のために命を捧げた」と強調した。 安重根は韓国では、日本の植民地支配への抵抗を象徴する「英雄」で、日本の政府高官が「犯罪者」と発言したことは日韓関係に影響を及ぼす可能性がある。ただ、菅氏は同