【ニューデリー金子淳】インド北部ダラムサラに拠点を置くチベット亡命政府で、中国に対し強硬姿勢を示す米トランプ政権を歓迎する声が上がっている。中国チベット自治区での自治拡大を求める亡命政府を「後押ししてくれる」との期待が高まっているためだ。ただ、中国は亡命政府を対話の相手として認めておらず、トランプ氏の影響でチベット問題が前進するかは極めて不透明だ。 「北京(中国政府)と、亡命政府や(チベット仏教最高指導者)ダライ・ラマ(14世)との対話を働きかけたい」。亡命政府によると、ティラーソン米国務長官は就任前、米上院外交委員会からの質問にこう回答し、中国に政治的対話やチベット文化の尊重を求める考えを示した。