政府が、性犯罪や性暴力の対策を強化する初の方針をまとめた。被害者らの声の高まりを受けて、関係省庁が連携し、幅広い分野で取り組む姿勢を見せているのが特徴だ。 「魂の殺人」とも言われる性犯罪は、被害者の精神的なショックが大きく、その後の人生に深刻な影響を与える。法による取り締まりや被害者救済とともに、再犯率が高いとされる性犯罪の防止対策が重要になる。 政府方針は▽仮釈放中の性犯罪者らへの衛星利用測位システム(GPS)端末の装着義務化▽わいせつ行為をした教員への厳正処分▽幼少期からの教育や啓発―が柱だ。2022年度までの3年間で集中的に取り組む。 GPS端末の装着は、欧米や韓国などが導入し、一定の成果を上げていると言われる。一方で人権上の問題もある。 政府方針は、装着する対象者について、仮釈放と執行猶予中の人を軸としている。行動を24時間監視するのであれば、精神的な拘束につながりかねない。 運用