【ニューヨーク=黒沢潤】カナダに移民したイスラム教徒の女性が市民宣誓式に出席する際、全身を覆うニカーブの着用が許可されることになった。ハーパー前保守党政権時代に定められた「着用禁止法」が宗教の自由に反するとして最高裁まで争われていたが、発足したトルドー新政権が16日、上訴を取り下げた。 禁止法は2011年に施行されたが、パキスタン出身の女性が、禁止法はカナダで保障されている宗教の自由に反するとして提訴。控訴裁判所が9月、違法と認定したのを受け、ハーパー前政権が上訴していた。 トルドー氏は前月の総選挙に際し、禁止法はイスラム教徒の脅威をあおるものだと批判し、ニカーブ着用を支持していた。 レイボールド司法相は16日の声明で、「カナダは強い。それは多様だからだ」と強調した。 一方、トルドー首相は同日、総選挙の公約に従い、パリ同時多発テロを実行したと主張する「イスラム国」への空爆参加をいずれ中止す