猪瀬直樹前知事の辞職に伴う東京都知事選が、二十三日に告示される。二月九日の投開票に向けて十七日間の論戦が始まるが、争点の「脱原発」や都民の暮らし、東京の街づくりについて、具体的な政策を明らかにしない陣営が続出している。手の内を明かさない戦略で、有権者に判断材料を示さない異常事態になっている。 立候補の意向を示しているのはいずれも新人で、前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)=共産、社民推薦、元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)、元厚生労働相の舛添要一氏(65)、元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)ら。二十一日までに十一人が立候補の事前審査を終えた。今回は主要候補者の公約が見えづらいのが特徴だ。二十四日から期日前投票が始まるが主要候補の討論会も実現しなかった。 詳しい政策集の発表は宇都宮氏だけ。「正々堂々と政策論争したい」と語っていた舛添氏は二〇二〇年五輪などの五本柱、「雇