企業の採用担当者による就活セクハラが後を絶たない。6月には、いずれも業界大手の近鉄グループホールディングスや日本製鉄で相次いで発覚した。厚生労働省の委託調査では、男女合わせた就活生の4人に1人が被害に遭ったと回答している。毎年のように指摘されながら、なぜ続くのか。取材を進めると、加害者だけではなく、採用する企業側の問題も浮き上がる。 「内定取り消し」匂わせ 「自責、自己嫌悪、無気力などで夜中に何度も目が覚め、悪夢にうなされる。これが毎日続いている」。取材に応じてくれた女性は、電話越しに就活セクハラに遭った後の心情を語った。「自分が我慢すればと思っていた」「自分も悪いところはあった」。声を震わせながら話す様子に、なぜ被害者がこうして苦しまなければならないのかとやるせない気持ちになった。 この女性は、日鉄の東日本製鉄所鹿島地区(茨城県鹿嶋市)の中途採用試験を受け、1月に採用通知を受け取った。そ