景気回復で人手不足感が強まるなか、パートや契約社員を正社員化する動きが広がっている。一時的にはコストアップという負担を抱えることになるが、優秀な人材を囲い込んで長期的なメリットを得たい考えだ。特にこの動きは小売り・流通業で目立つが、他の業界にも波及しそうだ。 「人材確保難しく、先手を打った」 総務省が2007年3月2日に発表した06年の労働力調査によると、正社員数は前年比37万人増の3,411万人で、初の増加に転じた。これまでは、企業は非正社員を中心に採用増を進めてきたが、これが正社員にも広がってきた形だ。 そんな中、カジュアル衣料品で有名なユニクロは07年3月5日、転居をともなう異動がない「地域限定正社員制度」を導入する、と発表した。現在約2万2,000人いる同社の非正社員(契約社員やアルバイト)のうち、約5,000人を正社員化する、というものだ。正社員並みの仕事量をこなす非正社員も少な