私が彼女の病室を訪ねると、彼女は身体に管を通され、呼吸をするにも肩で息をするように、苦しそうにしていた。 彼女は苦しそうにしながらも、口元だけは私に笑って見せた。 彼女に昔の美しき面影はなく、ただただ病気と闘うことに疲れ果てた病人であった。病は肉体だけではなく精神的にも蝕み、精も根も尽き果てているようだった。 私は彼女の、聡明さ、理知的で強い心に惚れたので、今の彼女の姿を見るのは忍びなかった。 だが私は、自分が惚れた女性を元気付けようと、彼女を見舞ったのだ。 彼女は負けず嫌いで、なんにでも真剣に取り組んだ。 自分に甘えることを嫌い、全てを合理的に判断し、冷静に分析し、解決のために全力で取り組んだ。その姿は、男である私から見ても、尊敬せざるを得ないほど、格好良いものであった。 男が女を尊敬するのは格好悪いというくだらない意識は私にもあって、それでも尊敬しないわけにはいかないほど、彼女は理知的