写真提供:折橋大貴 新型コロナウイルス(以下、「新型コロナ」)の感染が拡大していた2021年1月、福岡のある飲食店が、食事中の会話を控える「黙食」を勧めるポスターを作成・配布したことが話題となりました。それ以降、様々なお店で黙食を勧める掲示が増えてきています。 ところで、この黙食という概念、実は仏教には古くからあったということをご存知でしょうか? 禅宗、特に曹洞宗の修行道場では、坐禅堂・風呂・トイレで余計な言葉を発してはいけないという規律があり、それが坐禅堂で行う食事にも当てはまるため、必然的に黙って食事=黙食となっているのです。 そんな曹洞宗の黙食について、話題の黙食ポスターと絡めたコラムを執筆したお坊さんがいます。神奈川県にある曹洞宗・養食山常泉寺の副住職であり、フレンチの料理人でもある折橋大貴さん(32歳)です。 今回は折橋さんに、古くからある黙食とは一体どのようなものなのか、そして