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ブックマーク / movie.maeda-y.com (10)

  • 超映画批評「シン・ゴジラ」90点(100点満点中)

    「シン・ゴジラ」90点(100点満点中) 監督:樋口真嗣 出演:長谷川博己 竹野内豊 ハリウッド版をすら凌駕する、これぞ2016年の日にふさわしい新ゴジラ 私は「シン・ゴジラ」が完成した直後、その事をある制作スタッフから聞いた。やがて試写予定についても別会社のスタッフから知らされていた。だが結局、公開までに通常の大々的なマスコミ向け試写会は行われなかった。 あの庵野秀明総監督の事だから、完成といいつつポスプロの沼に嵌ったか、あるいは初号試写を見た宣伝チームが急きょ事前に我々に見せることをやめる判断をしたのか。いずれにしても映画ライターの間ではこういう場合、ろくな結果にならないとの経験則がある。 しかも、たまたま見に行った都心の映画館の入りがきわめて悪かった(上映10分前の段階でなんと私一人)事もあり、不安は増大する一方だったが、なかなかどうして、「シン・ゴジラ」は期待をはるかに上回る大傑

    超映画批評「シン・ゴジラ」90点(100点満点中)
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    came8244 2016/07/30
  • 超映画批評 - 「テラフォーマーズ」5点(100点満点中)

    「テラフォーマーズ」5点(100点満点中) 監督:三池崇史 出演:伊藤英明 武井咲 原作を改変してわざわざダメにする愚 コミックス累計発行部数1000万部を超える超人気コミックの、満を持した実写映画化「テラフォーマーズ」は、私があるツイートをしてしまったせいで公開前から大荒れ模様となってしまった。誰も見ていないようなフォロワー数なのに瞬く間に何千もリツイートされ、いくつものメディアに引用されるとはツイッター初心者の私は予想もしなかった。 そもそも、別に映画の中身を具体的に批判したわけでもネタバレしたわけでもないのに、いつの間にか「前田が「テラフォーマーズ」を酷評した」などと報道されているのは大変心外である。私はツイッター上でこの映画を酷評などしていない。酷評するのは、今からこの記事で、である。 人口が増え続ける21世紀の地球。人類は火星移住のため、テラフォーミング計画を実行する。それはある

    超映画批評 - 「テラフォーマーズ」5点(100点満点中)
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    came8244 2016/04/25
  • 超映画批評「風立ちぬ」40点(100点満点中)

    「風立ちぬ」40点(100点満点中) 2013年7月20日 全国東宝系 2013年/日/カラー/126分/配給:東宝 原作・脚・監督:宮崎駿(「月刊モデルグラフィックス」連載) 音楽:久石 譲(サントラ/徳間ジャパンコミュニケーションズ)  主題歌:「ひこうき雲」荒井由実 (EMI Records Japan) 声の出演:庵野秀明 瀧美織 西島秀俊 西村雅彦 演技を否定する斬新なキャスティング この夏、どころか年度ナンバーワン候補筆頭である作は、「紅の豚」(92年)以来の飛行機映画ということで、強く期待されている。何しろ宮崎駿監督が無類の飛行機マニアであることは、いまや一般の人でも知る有名な事実。作も監督の趣味全開、伸び伸びと作った楽しい作品になるだろうと思うのは当然だ。しかし、そんな風に素朴に期待する人にとって作は強力な地雷になりかねない。 幼いころから飛行機が好きで、いつ

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    came8244 2015/07/09
  • 超映画批評「マッドマックス 怒りのデス・ロード」95点(100点満点中)

    「マッドマックス 怒りのデス・ロード」95点(100点満点中) 監督:ジョージ・ミラー 出演:トム・ハーディ シャーリーズ・セロン 弱き者たちの反撃 「マッドマックス」なんて化石みたいなシリーズあったなあと、ほとんどの人が思うだろう。この4作目はもともと15年も前に企画された続編で、トラブル続きで制作が中断して今に至る。こうした経緯をたどった企画、ましてタイトルロールのメル・ギブソンでさえ嫌気がさして降板したというのだから、どう考えてもダメ作確実である。 荒廃した世界をさまようマックス(トム・ハーディ)は、この辺りを牛耳るイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)から、貴重な水やガソリン、そして妊娠できる女たちを奪いトレーラートラックで逃げてきた女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)と出会う。成り行きから彼女らに加勢することになったマックスだが、背後にはジョーが率いる無法者集団が迫って

    came8244
    came8244 2015/07/09
  • 超映画批評「おおかみこどもの雨と雪」40点(100点満点中)

    「おおかみこどもの雨と雪」40点(100点満点中) 2012年7月21日公開 全国東宝系 2012年/日/カラー/117分/配給:東宝 監督・脚・原作:細田守 脚:奥寺佐渡子 キャラクターデザイン:貞義行 声の出演 宮崎あおい 大沢たかお 黒木華 西井幸人 林原めぐみ 意欲的な試みも不協和に終わる 細田守監督の最新作は、おとぎ話のなかにリアルな出産子育ての物語を入れ込むという、極めて意欲的な作品である。 これを監督は、子供たちにとっては楽しいおとぎ話、若者にとっては、子育ての驚きと憧れ、そして親たちには子供の成長を懐かしがれるようにと、全年齢向けにアピールすべく脚を作り上げた。 だが、それらはもともと混ざり合うことのできない要素であった。また、その試みにアニメーションというジャンルや彼のタッチが適切だったかについても疑問が残る。 大学生の花(声:宮崎あおい)が恋に落ちた男性は狼男

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    came8244 2012/07/27
  • 超映画批評『ブラック・スワン』95点(100点満点中)

    『ブラック・スワン』95点(100点満点中) Black Swan 2011年5月11日(水)より、TOHOシネマズシャンテほか全国拡大ロードショー 2010年/アメリカ/カラー/108分/配給:20世紀フォックス映画 監督:ダーレン・アロノフスキー 脚:マーク・ヘイマン、ジョン・マクラフリン、アンドレス・ハインツ 出演:ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・キュニス バーバラ・ハーシー ウィノナ・ライダー ≪天才の誕生過程≫ 菅直人首相が浜岡原子力発電所の即時停止を命じたという。電力不足が起きるぞと原子力村民たちが早くも国民を脅し始めているようだが、もとより浜岡原発は点検にかこつけて年間200日とか300日も休んでいるぐうたら原子炉の集まりである。いまさら残る2つを止めたところで電力など不足するはずもない。 この決断には自民党議員の一部が猛反発しているが、これでは首相の思う

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    came8244 2011/05/09
  • 超映画批評『ティンカー・ベル』100点(100点満点中)

    『ティンカー・ベル』100点(100点満点中) Tinker Bell 2008年12月23日(火・祝)より、ロードショー 2008年/アメリカ/カラー/79分/配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ 監督:ブラッドリー・レイモンド、キャラクター創造:J・M・バリー 、脚:ジェフリー・M・ハワード 声の出演:メイ・ホイットマン、ルーシー・リュー、アンジェリカ・ヒューストン、アメリカ・フェレーラ もっとも有名な妖精、ティンカーベルが4部作に 08年冬のディズニーはアニメーション二立てだが、先行する『WALL・E/ウォーリー』こそが大命なのは誰の目にも明らか。こちら『ティンカー・ベル』は、アメリカでも小規模にひっそりと公開されたきり。彼らは四部作の壮大なプロジェクトにすると意気込んでいるが、この調子では2以降はビデオのみ、なんてことにもなりかねない。 ネバーランドにある妖精の谷に、元気

    came8244
    came8244 2008/12/24
  • 超映画批評『僕の彼女はサイボーグ』採点不能(100点満点中)

    『僕の彼女はサイボーグ』採点不能(100点満点中) 2008年5月31日(土)より、サロンパス ルーブル丸の内他全国松竹・東急系にてロードショー 2008年/日/カラー/120分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ powerd by ヒューマックスシネマ 監督:クァク・ジェヨン キャスト:綾瀬はるか、小出恵介 サイボーグの綾瀬はるかとラブラブ同棲?! 『僕の彼女はサイボーグ』は、『猟奇的な彼女』(01年、韓国)のクァク・ジェヨン監督が、綾瀬はるか&小出恵介の魅力をこれまでにないほど引き出したラブコメディの傑作である。しかも見終わった後、多くの人は言葉を失うほどの衝撃を受ける。 21歳の誕生日、モテない大学生のジロー(小出恵介)は、ちょっぴり乱暴な美少女(綾瀬はるか)と再会した。1年前の自分の誕生日に偶然出会い、そのまま去った不思議な女の子だ。しかし今回の彼女は、感情希薄でどこかとんちん

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    came8244 2008/05/26
  • 超映画批評『それでもボクはやってない』98点(100点満点中)

    『それでもボクはやってない』98点(100点満点中) 2007年/日/カラー/2時間33分/配給:東宝 すべての男が見るべき大傑作 2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。 主人公のさえないフリーター(加瀬亮)は、満員電車から降りたとたん女子中学生に手首をつかまれた。駅員室に連れて行かれた彼は、覚えのない痴漢を頑強に否定。すると警察がやってきて留置され、そのまま裁判を闘うことになるのだった。 この映画の上映時間は147分。一見長大に思えるが体感時間はその半分程度、

  • 超映画批評『ゆれる』80点(100点満点中)

    『ゆれる』80点(100点満点中) 男同士の兄弟の内面を鋭くえぐる、スリリングなドラマ 映画業界にとって、一番の稼ぎ時である夏休みシーズン。内外の大作が居並ぶ中で、地味なドラマ映画ながら、屈指の傑作なのが『ゆれる』だ。まるで、ぽつんと紛れ込んだようなこの作品は、とくに派手な大作映画を敬遠するタイプの方には、真っ先に見てほしい一だ。 女にモテ、カメラマンとしても成功し、東京で派手に暮らす弟(オダギリジョー)。家業のちっぽけなガソリンスタンドを継ぎ、女に縁がなく、老いた父と二人で暮らすさえない兄(香川照之)。この二人が久しぶりの法事に、故郷で再会するところから物語は始まる。 弟は、兄が面倒な実家のもろもろを背負い込んでくれたから、東京で好きなことをやっていられるのだと薄々気づいていながら、何でも許してくれる優しく面倒見のよい兄に、無意識に甘えている状態だ。この日もあろう事か、兄が思いを寄せて

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