『実践理性批判』(じっせんりせいひはん、独:Kritik der praktischen Vernunft)はカントが著した哲学書である。1788年に出版された。カントのいわゆる三批判書(『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』)の一部を占めるため、第二批判(だいにひはん)と呼ばれることもある。 成立事情[編集] 概論[編集] 純粋実践理性(reine praktische Vernunft)は、経験(Erfahrung)からは独立して意志(Wollen)を規定する普遍的な道徳法則をわれわれに与える。すなわち、「汝の意志の格律(Maxime deines Willens)がつねに普遍的立法の原理(Prinzip einer allgemeinen Gesetzgebung)として妥当しえるように行為せよ(sollen)」(定言命法(der kategorische imperat