タグ

社会と池田信夫に関するcastleのブックマーク (237)

  • 鳩山由紀夫氏の奇妙な「友愛」 - 池田信夫

    民主党の鳩山代表がNYタイムズに寄稿しています。内容は『VOICE』9月号の論文を抄訳したものと思われますが、この奇妙な論文を海外の首脳は理解できるのでしょうか。鳩山氏はまず、お得意の「友愛」の概念で「グローバル資主義」を批判します。 Fraternity as I mean it can be described as a principle that aims to adjust to the excesses of the current globalized brand of capitalism and accommodate the local economic practices that have been fostered through our traditions. Economist誌も指摘したように、このfraternityの使い方はおかしい。フランス革命のfr

    鳩山由紀夫氏の奇妙な「友愛」 - 池田信夫
    castle
    castle 2009/08/29
    「友愛とは、個人が国家や身分を超えて対等に結びつく普遍的な原理であり、むしろ鳩山氏の指弾する「グローバリズム」の原型になったもの。これを「地域の伝統」を守る根拠にする鳩山氏は友愛の概念を逆に理解して」
  • 長期的関係の呪い - 池田信夫 blog

    きのうの記事の続きだが、日の自殺率がなぜこれほど高いのかというのは、かなり深刻な問題だ。それが「失われた20年」に増えたことから考えても、いま日社会が直面している変化を象徴しているように思われる(テクニカルで長文)。 基的な原因として自殺を名誉ある行為とする文化があり、経済的な苦境や高齢化による病気が増えたことも事実だろう。しかし時系列データでみても、1990年から10年ほどの間に1.5倍にも激増したのは、ただの不況や失業の問題とは思えない。興味あるのは、主要国の中で韓国の自殺率が日と並ぶ高さになり、しかも同じように90年代以降、急増していることだ。以前の記事でも書いたように、日韓国は「双子国家」であり、両国には相違点が多いが共通点も多い。似ているのは、日の系列や韓国の財閥に代表される長期的関係によるガバナンスが崩壊しつつあることだろう。 囚人のジレンマから協力が発生する

    castle
    castle 2009/08/24
    「(自殺問題を解決する道は2つ)「グローバリズム」を拒否して鎖国し、市場メカニズムを否定して長期的関係を死守するか、近代化をとげた多くの国と同じように、市場や司法などの非人格的メカニズムに切り替える」
  • 小泉純一郎氏の教訓 - 池田信夫

    岡田さんもいうように、今やごく普通の国民にとっても、バラマキのありがたみより政府の借金の不安のほうが大きいでしょう。朝日新聞の世論調査でも、図のように子供手当や高速無料化などへの評価は否定的で、むしろ消費税の引き上げに対する評価がもっとも高い。政治家が思っているほど、有権者はバカではないのです。 同じようなことは、2001年に小泉純一郎氏が首相になったときも見られました。小渕内閣の巨額の財政政策によって、財政赤字が危機的な水準になったことに対して、「小さな政府」を掲げて緊縮財政を約束した小泉氏が国民の圧倒的な支持を受けたのは、バラマキの財源は結局、自分たちの払う税金だということを知っていたからです。子供手当だろうと景気対策だろうと、財政政策は質的にはゼロサムの所得再分配にすぎない。それが富を増やす効果はないのです。 たぶん鳩山由紀夫氏は、これぐらいのロジックは知っているでしょう(麻生氏は

    小泉純一郎氏の教訓 - 池田信夫
    castle
    castle 2009/08/21
    「(小泉改革での)「自民党をぶっ壊す」という彼の公約は実現され、日本の政治は変わったのです。よくも悪くも、個別の利益誘導よりもメディアを使った「劇場型」のマーケティングのほうが有効になってきました」
  • 占領下日本の教訓 - 池田信夫 blog

    先日の記事でも書いたように、長期雇用や年功序列の原型は軍や戦時経済にある。産業報国会は企業別組合の原型となり、「従業員雇入制限例」によって職場の移動を禁止して長期雇用が義務づけられ、「賃金統制令」によって請負給(親方が職工に払う出来高賃金)を廃止して年齢別の定額給が全国一律に決められた。しかし他の国では終戦とともに戦時体制は終わったのに、なぜ日だけ「総動員体制」が戦後も60年以上残っているのかという問題は残る。 その一つのヒントは、書に書かれているGHQの占領統治だろう。ドイツが米ソに分割統治され、ナチの党組織と官僚機構が徹底的に解体されたのに対して、マッカーサーは軍と内務省は解体したが、それ以外の官僚機構と天皇制は温存する間接統治の方針をとった。このため、日政治システムは「民主主義」になったが、行政のインフラは明治以来かわらない官僚機構が握り続けたのである。 内務省がなくなっ

    castle
    castle 2009/08/21
    「日本だけ総動員体制が戦後60年以上残っている」「日本の経済システムは、数百年の伝統をもつ分散型のコミュニティで空白になっていた中心部に戦時体制の中央集権システムが組み込まれた、特異なハイブリッド構造」
  • 教育改革はなぜ失敗するのか - 池田信夫 blog

    のサービス産業の効率が低いことは周知の事実だが、教育サービス(特に高等教育)はその中でも最低の部類だろう。私立大学の過半数が定員割れで、中国人留学生で定員を埋めている状態だ。一時、文科省が「大学院重点化」によって乱造した大学院大学も、ほとんどが定員割れで「学歴ロンダリング」の温床になっている。 こういう現状に対して何度も改革が試みられたが、状況は改善されていない。その根的な原因は、企業システムにある。拙著(第5章)でも書いたように、日の企業のガバナンスは資主義の原則である所有権(ownership)による支配ではなく、長期的関係にもとづいた会員権(membership)による支配だから、大事なのは組織に忠実で協調性の高いことで、専門的技能は必要ないのだ。 前にも書いたように、日の大学はシグナリングの装置だから、その役割は入試のとき終わっている。重要なのは「東大卒」の学歴では

    castle
    castle 2009/08/18
    「仕事は徒弟修行によってOJTで覚える」「(学歴は)どんなつまらない仕事も我慢し、上司の求める答を出す忠実な社員になるというシグナル。だから企業システムを変えないで、教育システムを変えることはできない」
  • 汚穢と禁忌 - 池田信夫 blog

    ウンベルト・エーコによれば、文化は「危機に直面する技術」だという。記号論が示すように、文化の基は一定のシンボル体系の中に情報を秩序づけて共有することだが、こうしたフレームが制度化されると源的なリアリティとの間に齟齬が生まれる。それが非常に大きくなるとコミュニティの存続が脅かされるので、そのリスクを認識させるのが「反秩序」としての文化である。 こういう話は一時、「トリックスター」論として流行したが、その走りが書(原著は1966年)である。著者は、それまで文化人類学の研究対象とされなかった不浄なものが、文化の中で重要な役割を果たしていることを明らかにした。汚物についての禁忌(タブー)は、どの文化圏でもきわめて強いが、その対象は両義的な意味をもつことがしばしばあり、聖なるシンボルとして儀礼で重要な役割を果たす。 たとえば葬儀に糞尿を使う慣習は「未開社会」に広く見られる。死体に尿をかけて

    castle
    castle 2009/08/18
    「文化の基本は一定のシンボル体系の中に情報を秩序づけて共有することだが、こうしたフレームが制度化されると本源的なリアリティとの間に齟齬が生まれる。それが非常に大きくなるとコミュニティの存続が脅かされ」
  • 日本語は論理的である - 池田信夫 blog

    学校文法では、「文は主語と述語によって成り立つ」と教わる・・・という文には主語がない。こういう場合、学校では「生徒は」という主語が「省略されている」と教わるが、この基準で日語の日常会話を分析すると、90%以上の文で主語は「省略」されている。世界の他の言語をみても同じで、主語が不可欠なのはインド=ヨーロッパ語族の一部に限られる。主語・述語モデルにもとづく生成文法も、「普遍文法」どころか「ヨーロッパ語文法」でしかない。 こうした英語をモデルとする文法に対する批判も古くからあり、時枝文法や三上章など、「日語の論理は英語とは違う」とする議論も多い。書は、学校文法や生成文法を否定する点ではこうした理論と同じだが、「日語特殊論」も批判し、日語も英語も基的には同じ論理の変種だと論じる。著者の理論的根拠とする認知言語学は第2章に要約されているが、くわしいことは著者の前著を読んだほうがいいだろ

    castle
    castle 2009/08/04
    「認知言語学では、統語論を否定し、文をメタファーの関係としてとらえる~外的な世界を概念化する過程であり、文法はその概念=メタファーの関係をあらわす形式」「論理的関係は集合の包含関係に置き換えられる」
  • 行動経済学とゲーム理論 - 池田信夫 blog

    著者は1970年代にBowlesなどと一緒に「ラディカル・エコノミックス」の構築をめざし、当時から認知科学で効用を内生的に説明するといった理論を提唱していた。結果的には学生運動の退潮とともに、彼らの議論は忘れられてしまったが、その志が今も持続しているのは立派なものだ。 書も前半はゲーム理論の教科書だが、後半は行動経済学の実験結果をゲーム理論で説明する試みだ。たとえば制度や規範が複数均衡からどうやって選ばれるのかという問題は、従来のゲーム理論では難問だが、書では規範を相関均衡として理解している。他方、財産権は通常、法的な問題と考えられているが、実は霊長類には財産権に似た行動がかなり広く見られる。これは行動経済学のendowment effect(自分が持っているものの価値を高く評価する)を考えると、タカ=ハト・ゲームの均衡として解釈できる。 このようにゲーム理論によって行動経済学の「

    castle
    castle 2009/08/04
    「『資本論』が「資本家社会の富は、商品という要素の集積として認識される」という言葉で始まるのは、富が商品というメタファーに物象化(概念化)されることが資本主義の根本的メカニズムだという洞察」
  • ワーキングプアを救済する方法 - 池田信夫 blog

    最低賃金法の改正案が、国会で審議されている。労働組合などからは「これではワーキングプア対策にならない」「最賃を一律時給1000円に引き上げろ」などの要求が強い。しかし当ブログでこれまでにも説明したように、最賃規制は労働需要の不足をまねき、失業を増やすおそれが強い。 今回の改正のポイントは、生活保護との「整合性」だが、具体的な金額は規定されておらず、実効性は疑わしい。根的な問題は、生活保護が働かないで貧しい人を対象にしており、働いても貧しい人を救済する制度がないことだ。働くより生活保護を受けたほうが高い所得を得られ、少しでも働くと生活保護の支給が打ち切られることが、労働のインセンティブをそいでいる。 この問題の解決策も、フリードマンが45年前に提案している。負の所得税である。これは課税最低所得以下の人に最低所得との差額の一定率を政府が支払うものだ。たとえば最低所得を300万円とし、ある

    castle
    castle 2009/08/03
    「働いても貧しい人を救済する制度がない」「(福祉と税の一元化で)税制は簡素化され効率的福祉システムが可能」「(実施されないのは)大量の官僚が職を失うから」「ブ米:所得把握が困難だから実施されていない」
  • 政策論争なき選挙の本当の争点 - 池田信夫

    衆議院が解散され、事実上の選挙戦が始まりました。ところがマニフェストを比較しようとして、唖然としました。自民党のマニフェストがないのです。「来週出す」とかいっているようですが、党内でまじめに議論されている気配もない。他方、民主党のマニフェストも正式には出ていませんが、こっちは去年の参院選を基的に踏襲する方針で、農業所得補償を1年前倒しするなど、一段とバラマキ色が強まりそうです。 政策論争なんて、どうでもいいともいえるでしょう。両党の政策は「景気対策」やら「安心対策」などの所得再分配だけで、その原資となるGDPをどうやって回復させるのかという経済成長の戦略が欠落している点で、一致しているからです。これは表現を変えると、「日はもう成長できないから、ゼロ成長でみんな平等に貧しくなろう」という「日をあきらめる」政策と考えることもでき、これも(意外に現実的な)選択肢でしょう。 民主党の一部には

    政策論争なき選挙の本当の争点 - 池田信夫
    castle
    castle 2009/07/23
    「両党の政策は~その原資となるGDPをどうやって回復させるのかという経済成長の戦略が欠落」「幸福(welfare)を富(wealth)と同一視し、成長率さえ維持すれば問題は片づく、という経済学の功利主義には問題があり」
  • 日本にも香港を - 池田信夫 blog

    Economist's View経由で知ったが、Paul Romerが「途上国に香港をつくれ」という提案をしているそうだ。 このヒントは中国である。彼らの改革開放政策には、香港の成功が大きな影響を与えている。それは政府の規制が少ないほど経済が発展するという見を身近に見せているからだ。日では「特区」の話が出ては消えるが、ほとんど実施に移されていない。香港のような成功モデルがないので、官僚が「規制をなくしたら大変なことになる」とネガティブな話だけを流布するからだ。 アメリカでは、インディアン保護区は主権国家なのでFCCとは別の電波政策をとっており、UWBなどの実験が行なわれている。民主党のマニフェストでは「地方主権」をうたっているが、気でやるなら(道州などの)地方政府に国家主権を与え、すべての規制を独自に決める権限を与えてはどうだろうか。たとえば不況にあえいでいる北海道が為替レートを

    castle
    castle 2009/07/21
    「(道州に)規制を独自に決める権限を与えては。例えば不況にあえいでいる北海道が為替レートを独自に設定すれば円の半分位になり、解雇規制を撤廃して実効賃金を下げれば、中国と競争して工場を誘致できるかも」
  • 経済成長のミステリー - 池田信夫 blog

    ここのところマクロ経済学といえば、財政・金融政策の話ばかりだが、Acemogluも指摘するように短期的な安定化と長期的な成長はつながっており、長期的な問題の解決にならない一時しのぎのバラマキは経済力をかえって弱める。特に日の場合、一時的な需要ショックの局面は終わりつつあり、持続的な潜在成長率をいかに高めるかが次の政権の課題だろう。 ところが成長理論の教科書はAcemogluとかAghion-Howittのように数学的に高度なものが多く、日語で読める入門的な教科書はジョーンズの10年以上前のぐらいしかない。書は成長理論の第一人者が、最近の動向を数式なしで(!)やさしく解説したもので、教科書ではなく、各国で成長率が大きく異なるのはなぜか、という「成長のミステリー」にテーマを絞ったモノグラフだ。 その答は短くいえば、生産性(TFP)である。国家間の一人あたり所得や成長率の差の半分以上

    castle
    castle 2009/07/09
    「(経済成長の)答えは、生産性(TFP)」「(革新には)財産権や民主主義などの制度的インフラがしっかりしていることが重要という考え方」「他方、民主主義と成長率には大して関係ないという実証研究も。例:中国」
  • 優秀な兵士と最悪の将校 - 池田信夫

    先週の夏野さんの起業塾セミナーも、すごい盛り上がりでした。印象に残ったのは、「日には実力がある。人も金も技術も十分あるのに実力が生かせない原因はたった一つ、決める経営者がいないからだ」という彼の話でした。昔から「日軍の兵士は世界一優秀で勇敢なのに、将校は世界最悪だ」とよくいわれますが、私は両者はなのにではなくだからで結ばれていると思います。 日の社員は上司が命令しなくても仕事を起案し、遅くまで残業してやり遂げる。この自発性の高さは、日では当たり前ですが、海外のスタッフと一緒に仕事をすると、1から10までこっちが指示しないと動かない上に、できあがったものは使えない、といった経験をよくします。それに比べれば、日の管理職の仕事は現場の仕事を調整するだけでいいので、人柄がいいだけでつとまる、というのが決めない経営者の多い一つの理由でしょう。 もう一つ、このような現場のモラールの高さを支え

    優秀な兵士と最悪の将校 - 池田信夫
    castle
    castle 2009/07/01
    「現場のモラールを支えているのが、会社というコミュニティの中で自分が重要なメンバーだというプライドであり、仕事に手を抜くと出世競争に負けるという緊張感」「ITグローバル企業と低賃金新興国との二正面作戦」
  • 日本の経済学者はなぜ無視されるのか - 池田信夫

    きのうの松さんの記事に関連して、私も経済学について似たような印象をもっています(経済学が科学だとすればですが)。日政治家も官僚も、経済学者の話を審議会や「研究会」などで聞くけど、それが政策にまったく反映されない。渡辺喜美金融担当相は「経済学は1冊も読んだことない」と公言していたし、3月に行なわれた「有識者会合」は見ていて寒くなりました。 これに対して欧米の経済政策を動かしているのは、バーナンキにしてもサマーズにしてもローマーにしても、超一流の経済学者です。この違いの原因は、先日の記事でも書いたように、日経済学者にもありますが、最大の問題は、日政治が政策論ではなく「政局」的な人間関係で決まるので、専門知識が役に立たないことだと思います。麻生首相の「政局より政策」という口癖が、それを逆説的に示しています。 官僚の政策立案には少しはロジックが通用しますが、彼らは学者より自分たち

    日本の経済学者はなぜ無視されるのか - 池田信夫
    castle
    castle 2009/06/21
    「日本の政治が政策論ではなく「政局」的な人間関係で決まるので、専門知識が役に立たない」「(官僚にとっては)審議会等も「事務方」の案を御用学者を使ってオーソライズする場にすぎない」「意思決定ができない」
  • 安心ネットワークと信頼ネットワーク - 池田信夫 blog

    3年ぐらい前からFacebookのアカウントはもっていたのだが、海外友人にメールを出すときぐらいしか使っていなかった。しかし最近、Gmailのアドレス帳にある全員をFacebookが自動的に招待する機能ができ、私がうっかりそれを承認してしまったため、多くの人に招待状が届いたようで、申し訳ありません。 おかげで一挙にたくさん日人のFacebook friendsができ、日語と英語のメッセージが混在するようになった。比べてみると、日英のコミュニケーションの違いがわかっておもしろい英語のメッセージは、オバマ政権の批判などの意見が多いが、日語のほうは圧倒的にmixi的な日記だ。 またプロフィールをみると、欧米人は100人とか200人とか友人がいるのに対して、日人は10〜20人。これはもちろんFacebookが英語ベースだという理由があるだろうが、友人の概念に違いがあると思う。欧米で

    castle
    castle 2009/06/21
    「日本のような安心社会では「一見さん」を仲間に入れないことが重要なのだ。しかしこれはネットワークを広げる上では不便なので、まず相手を信頼して取引し、裏切り者は法的に処罰するのが欧米型の信頼社会である」
  • 政治案件 - 池田信夫 blog

    郵政の障害者特例を悪用した事件は、厚生労働省の局長が逮捕される異例の事態に発展した。この事実関係には疑問も多いのでコメントは控えるが、「政治案件」という言葉にはピンと来た。私も似たような事件に巻き込まれた経験があるからだ。これについては当時、朝日新聞(2004/1/24)が社会面トップで報じた。経済産業研究所(岡松壯三郎理事長)が、個人情報保護法案に反対するアピールの賛同者を募ったとして、幹部研究員を懲戒処分(戒告)したことがわかった。同省から「処分方針」の報告を求められた同研究所が新たに明文規定を作り、さかのぼって適用、処分した。処分を受けたのは池田信夫・上席研究員(50)。処分は昨年6月にあり、理事長や所長も管理責任を問われて訓告、副所長も厳重注意とされた。 同省や研究所によると、池田研究員は昨年4月初め、同研究所の研究員のほか政府関係者や大学教員、メディア関係者20人が参加する

    castle
    castle 2009/06/17
    「「池田というやつを処分しろ」という命令の婉曲話法で、こういう意をくんで迅速に対応するのが「能吏」の条件」「官僚にとっては、政治家は形式的には尊重するが、基本的には法案を通す上での障害物にすぎない」
  • アニマルスピリット - 池田信夫 blog

    Akerlof-Shillerの訳が早くも来週、出るようだ。ケインズの「アニマル・スピリッツ」という言葉をいささか広義に使いすぎているきらいもあるが、経済危機を克服するには「信頼」の形成が重要で、それが乗数効果(外部性)をもつという議論は、現状を考える上で役に立つ。記述も専門的でなく、おもしろく書けているので、ビジネスマンにもおすすめできる。 今の日に必要なのも、投資家や起業家のアニマル・スピリッツだろう。それを高める上で重要なのは財政・金融などの物量的な政策ではなく、書もいうように人々...

    castle
    castle 2009/06/17
    「米欄:現実は主体的に作り上げて行かなくてはならないのでしょう。心をつなぎ止めているのは過去の繋がりです。それは地域で暮らしてきた中で形成されてきたもので~政府が物語を語ってもどこまで届いていくのか」
  • 今こそアーレントを読み直す - 池田信夫 blog

    著者がハンナ・アーレントについて書こうと思ったきっかけは、秋葉原事件だという。あれを「新自由主義が生み出した派遣労働者の悲劇」といった物語に仕立て、かわいそうな人々を救済する「派遣村」のような温情主義をたたえる言説が流行した。派遣村を批判した総務政務官を更迭しろ、と国会の代表質問で追及したのは民主党の鳩山由紀夫幹事長(当時)である。 アーレントは、このような「共感の政治」を批判する。彼女は『革命について』でフランス革命を否定し、アメリカ独立革命を肯定した。彼女はlibertyとfreedomとを区別し、前者をフランス革命の、後者をアメリカ独立革命の理念とした。Libertyは抑圧された状態から人間を解放した結果として実現する絶対的な自然権だが、freedomは法的に構成(constitute)される人為的な概念で、いかなる意味でも自然な権利ではない。 「人間が生まれながらに等しく人権を

    castle
    castle 2009/05/19
    「「人間が生まれながらに等しく人権をもっている」という思想が革命の暴力を生み」「人間は生まれた時にはどんな権利ももっていない」「自分の信じる正義を「自然」だとする思想は、全体主義の萌芽を含んでいる」
  • 保守主義の危機 - 池田信夫 blog

    Becker-Posner blogで、保守主義をめぐる議論が盛り上がっている。先週の記事で、ベッカーとポズナーが「保守主義は危機的状況にある」として、ブッシュ政権以来の保守主義の混乱を批判したのに対して、山のようなコメントが寄せられた。日では「経済危機で新自由主義は破綻した」といった話が流行しているが、彼らの批判はもちろん、そういう通俗的な議論ではない。 保守主義の基礎にある理念は、アメリカ建国以来の国家への懐疑であり、それは18世紀のヒュームやアダム・スミスから継承された経済的自由主義と一体だ。しかしブッシュ政権のイラク戦争などの対外拡張主義や、同性婚の禁止などのキリスト教原理主義は、保守主義の伝統に反する介入主義である。このように共和党が、建国以来の伝統をを逸脱してポピュリズムに走ったことが、現在の危機的状況をもたらした――というのがベッカーの批判だ。 これに対してイースタリー

    castle
    castle 2009/05/19
    「保守主義の基礎にある理念は、アメリカ建国以来の「国家への懐疑」であり」「アメリカの保守主義は、建国の理念である自由主義を保守するもので」「国家の介入から個人の自由を守る懐疑主義である」
  • 霞ヶ関の権威と権力 - 池田信夫 blog

    民主党の鳩山新代表の公約をみて驚いた。最初にかかげられている最重点項目は「霞が関から市民への大政奉還」である。もののたとえだろうが、21世紀の政策にこういう儒教思想が出てくるのは、彼の官僚機構についての認識の甘さをうかがわせる。 大政奉還という言葉は、勤王派の「王政復古」の思想に対応する。儒教では「王道」に対して、武力で政権をとる「覇道」を邪道と考え、特に日では万世一系の天皇が征夷大将軍を任命したと考える。いわば天皇がプリンシパルで幕府はエージェントだから、後者が前者の意に沿わない場合は解任するのは当然、という発想だ。ここで「奉還」されるのは天皇から委任された権力であって、鳩山氏が想定している国民主権ではない。 これは単なるワーディングの問題ではない。このようにして奉還された天皇の大権が、明治以降の官僚機構のよりどころだったからだ。鳩山氏がこのような日の官僚機構の儒教的な性格に無自

    castle
    castle 2009/05/18
    「日本の官僚は西洋的なテクノクラートではなく、科挙以来の伝統を受け継ぐ儒教的な知識人」「科挙は、特定の専門的な成果(performance)を問う試験ではなく、任意の問題を処理する能力(competence)を問うシグナリング」