イノベーションの時代では、人材が変革を生む最大の要素となる。 だが、従来通りの社員研修で「人材力」を高めることは難しい。 社員が自発的に能力を高めるのを促す「学習する組織」へと転換することが、会社を成長に導く原動力となる。 「企業は人なり」とよく言われる。人材の質が企業の競争力を左右するということに、疑問を差し挟む余地はない。その一方で、日本企業はこれまで、「業務の標準化」を促進し、普通の人でもベテランと同じ仕事をこなせる仕組み作りを追求してきた。これは人材に依存しない経営を実現するための工夫である。 しかし、「イノベーションの時代」と言われる中で、改革に最も重要な要素として「人材」を挙げる経営者が増えている。 IBMグローバルビジネスサービスが、グローバル企業の765人のCEO(最高経営責任者)を対象に実施した調査によると、41%のCEOが「企業に変革をもたらすうえで最も重要なのは従業員