2008年3月、スルガ銀行は日本IBMを訴えた。システム開発頓挫の責任をベンダーとユーザーが押しつけ合った。ベンダーのマネジメント義務違反か、ユーザーの協力義務違反か。最高裁がスルガ銀行に軍配を挙げたことで7年に及ぶ裁判がついに終焉を迎えた。 本連載では、主にIT企業に関連する裁判例や近時のトピックを取り上げ、IT企業が法務面で留意すべき事項を指摘していく。第1回は、著名事件である「スルガ銀行 vs 日本IBM」事件の高等裁判所判決を見ていこう。本連載では紙幅の都合上、事案や判旨をかなり省略することが出てくるが、ご容赦願いたい。 2008年から続いた、スルガ銀と日本IBM(以下、IBM)の訴訟。一言で言えば両社が契約を結んだシステム開発プロジェクトが頓挫した原因がどちらにあるのかということを争い続けた。 スルガ銀はベンダーであるIBMが果たすべき義務、つまり高度な専門的知識と経験に基づいて
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