関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式典に隣接した「そよ風」の集会会場。19年の集会で出た発言が都によりヘイトスピーチと認定されている=関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式会場で2021年9月1日、後藤由耶撮影 9月1日、東京都墨田区で行われた関東大震災の朝鮮人犠牲者追悼式。その隣では、「朝鮮人6000人虐殺はなかった」と主張するグループが別の集会を開いていた。「『つなみ』の子どもたち 作文に書かれなかった物語」などの著書があるジャーナリストの森健さん(53)が当日の様子を初めて取材した。森さんの目に映ったものとは。【栗原俊雄/学芸部】 「ショックを受けた」 現場では緑色のフェンスが延々と続いていた。高さは1・5メートルほどだろうか。虐殺などで亡くなった朝鮮人犠牲者を追悼する式典と、それに反対の立場をとる「そよ風」を名乗る団体などによる「集会」がともに行われている。緑色のフェンスによって、両者が行き来でき