現代の日本語ラップシーンにおいて、もっとも表現力豊かなラッパーの一人と目されるMoment Joonのエッセイ集『日本移民日記』(岩波書店)では、自身が「キャラクター」として扱われることへの違和感が繰り返しつづられている。 たとえば彼は映画を日本語吹き替えで観ることを嫌う。それは「『人間ではなくキャラクター』として人を見る態度」が吹き替えの日本語には露骨に現れているからだという※1。 ※1 『日本移民日記』2021、p.7 目次人間をキャラクターと見なす吹き替え表現ラッパーは、「キャラクター」か?SITEが語る「日本語ラップとヒップホップ」の区別日本語ラップのゲームにエントリーする条件「日本語ラップ」は排他性を突破する契機となりうる「あなたたちは日本人である」Moment Joonの戦略ラッパーと「リアル」、逆転する主従キャラクターのイメージを塗り替えていく 人間をキャラクターと見なす吹き
![ラッパーという“キャラクター”とリアルの正体 Moment Joon『日本移民日記』から考える](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e18d5f97ae154f18db8a50aa4b24e10c2961c6a8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fpremium.kai-you.net%2Fimages%2Fa%2F2022%2F02%2F818x%2F5be06dd385fe9cb2a205f997e915d42f.jpg)