データの歴史とは、いわば人類の歩んできた情報共有の歴史です。 データ(data)とは、「与える」という意のラテン語ダーレ(dare)の受身形から派生した言葉で、「論拠・基礎資料、実験や観察などによって得られた事実や科学的数値」を意味します。 論拠を出すには議論が必要で、議論の礎になるのはコミュニケーションです。コミュニケーションには、人々が共有する思想が必要であり、その思想を伝えるために、会話や文字、数字、画像が使われます。太陽や月の動きは暦や時計の基礎となり、思想や知恵を拡散するメディアとして紙が生まれました。その後、ラジオやテレビなど大勢に向かって情報を伝達する「マス・コミュニケーション」が登場しました。パソコンやインターネットの登場により、一方通行になりがちだったマス・コミュニケーションの形もまた変わろうとしています。 近年ではスマートフォンがもっと