小さなシールを皮膚に貼るだけで痛みを感じずに接種できるというインフルエンザのワクチンを厚生労働省の研究班が開発し、5年から10年後の実用化を目指して臨床試験を進めていくことにしています。 貼るワクチンを開発したのは、大阪大学薬学部の岡田直貴准教授が主任を務める厚生労働省の研究班です。 直径1センチほどの円形のシールに、ヒアルロン酸と、インフルエンザのワクチンの成分を固めて作った、長さ0.8ミリのごく細い針が、およそ250本埋め込まれています。 針は短いため、皮膚に刺さっても痛みを感じることはなく、ヒアルロン酸が溶けると、ワクチンの成分が体内に浸透する仕組みだということです。 研究班が、20人の男性を対象に臨床試験を行った結果、注射と同じ程度の有効性を確認することができたということです。 半数ほどの人に、シールを貼った部分が一時、赤く腫れるなどしましたが、重い副作用はなかったということです。