『21世紀の資本』で知られるトマ・ピケティに師事し、アメリカの富裕層が巨額の脱税を犯しているという実態を暴いたフランスの若手経済学者ガブリエル・ズックマンが、新著『不正の勝利』を11月に出版した。かつて世界で最も平等な国のひとつだったはずのアメリカで格差が拡大している理由や、それを改善する富裕税の論拠などについて仏紙に語った。 1930年代のアメリカの所得税は90% カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授ガブリエル・ズックマン(32)は、いま世界で最も注目を集める経済学者のひとりだ。博士論文の指導教官は『21世紀の資本』(みすず書房)で知られるトマ・ピケティ。 ズックマンは、2020年の米大統領選で民主党の候補者指名の獲得を目指すバーニー・サンダースやエリザベス・ウォーレンに経済政策面でアドバイスをしている。2019年10月、同僚のフランス人経済学者エマニュエル・サエズとの共著『不正の