2020年度からの大学入学共通テストに「中止」「延期」を求める切実な訴えが相次いでいる。異例の抗議と混乱が続くなか、文科省は実施を強行する構えだ。 【「英語民間検定試験」現場からの悲痛な声続出】 * * * 「高校生です。当事者不在の議論に疑問を感じます。高校生の生の意見を、文科省のトップや幹部に伝えてください」 こう訴えたのは、都内の私立高校2年の男子生徒(17)だった。8月1日、東京都港区の日本学術会議講堂で開かれた、高校の国語教育をめぐるシンポジウム。大学教授らと、学校教育に指導や助言を行う文部科学省の視学官らが登壇し、2018年3月に告示された新学習指導要領をめぐって討論が行われた。冒頭の発言が飛び出したのは、会の終盤、質疑応答に入った時だ。男子生徒の視線は壇上の文科省の視学官に向かっていた。会場は一瞬しんと静まった。 「今の時期になってまで制度や問題に変更が加わるような、おぼ