日本でも、病院の待ち時間の長さは、働き盛りの人が病院に行きたがらない理由の1つになっている。しかし、大怪我をしているなど、明らかに急患の人が待合室などに長時間放置されることは、まずありえない。そんなことをして取り返しの付かないことになったら医療訴訟を起こされるだろう。 だが南アフリカ共和国では、ベッドに空きがないとかいう理由だけで、救急患者が何の処置も受けぬまま放置されたりする。医者の数も、表向き公表している人員数より大幅に少なかったりする。 すべての病院がそこまでヒドイわけではないが、怪我や急病で病院に運ばれるときは運を天に任せるしかない。まともな病院であってくれと。 鼻を手に携えたまま22時間も同州スプルートのロブ・フェレイラ州立病院の待合室の椅子の上で待たされ続けた。そう、その鼻はシープカーさんの顔面から切り離されてしまっていた。犬に噛みちぎられてしまったのである。 その日、元警察官