靖子 それは自然なめぐり合いでした。 私は日本にいて、人生半ばのキャリアの岐路にいました。彼女は私が通っていた研究機関の図書館で働いていました。 その食堂の列で、なぜか彼女は私の目に止まりました。穏やかで、健康的で、知性的で。 彼女と話すことができました。彼女は泳ぐのが好きだと言いました。仕事の後に地元のプールに行こうと誘いました。プールのあとはいつも決まって、近くの渋谷で焼き鳥でした。 彼女は大学で英語を学び、さらに学習を深めようとしていました。それなのに、自らを後回しにして、日本語に苦戦していた私を助けてくれました。それはいかにも彼女らしい優しさでした。-物惜しみせず、打算せず。 プールへの小旅行から、東京周辺の山や高原への日帰り旅行に足を伸ばしました。その次は奥多摩や秩父のより高い山の山荘への一泊旅行に。気がつけば、富士山のすぐ奥の、知られざる南アルプスの3000メートル級の山々に挑