美術館(というか学芸員)が最も気を使っていると言っても過言ではないもの、それが温度・湿度の管理です。 ここでいう温湿度とは、当然ながら展示室および収蔵庫の温湿度の話です(事務室のエアコンの話をしても仕方ありませんね)。 温湿度管理が重要な理由なぜ、私たち学芸員がそこまで温湿度を気にするのかというと、温湿度の変化と美術品の劣化や損傷は直結しているからです。 特に気をつけなければいけないのは湿度(相対湿度)の方です。 湿度が高い状態では、カビが発生する恐れがあります。 逆に乾燥した状態では、絵画であれば絵具層の亀裂や支持体となっている紙の裂けなどが懸念されます。 また、湿度が急激に変わると、ゆがみやたわみ、変形が生じ、それにより不可逆のダメージを美術品が負ってしまうこともあります。 湿度に比べれば、温度の変化が美術品に与える影響は少ないのですが、相対湿度は温度の変化と無関係ではないので、温度も
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