ここに、名簿がある。「日人惨殺華工之調査」。関東大震災直後、被災地で虐殺された中国人について、当時、東大農学部で学んでいた王兆澄らが調査し、まとめたものだ。日本人が混乱に乗じて虐殺したのは、朝鮮人だけではなかった。それを示す第一級の史料は、外務省外交史料館(東京都港区)でひっそりと公開されている。だが名簿の存在はおろか、中国人虐殺自体について知る人も少ない。政府が負の歴史に目をつむる傾向にある中、研究者も逆風にさらされている。 名簿には、被害者の氏名、年齢、原籍、被災前住所などとともに被害の日時、場所、加害者、凶器、被害状況などが書かれている。死者には「死」、受傷者については「頭上四刀右腰一刀」といった詳しい状況も記されている。 日時は震災直後の9月2日や3日が多く、被害場所としては「大島町」を中心とした東京都内のほか、「神奈川縣」という記述も散見される。中国、特に地理的に日本と近い温
横浜市教育委員会は19日、校舎増築工事に伴う事前発掘調査で市立本町小学校(中区花咲町)の校庭から日本で初めてガス事業を起こした「横浜瓦斯会社」の遺構が出土した、と発表した。今後、調査記録を残した上で撤去する。 市教委によると、地下1.8メートルから出土したのはホルダー(ガスタンク)の基礎の一部で、れんがが約70~80センチの高さに積まれている。基礎全体は放射状に延びる円形で直径約20メートル。 1872~1906年に設置された4基のうちの1基とみられ、1986年には校庭の整備工事で二つの基礎やガス管が出土している。 1872年起業の横浜瓦斯会社は、馬車道など日本最初のガス灯にガスを供給。75年に市の前身となる横浜町会所に譲渡され横浜瓦斯局になり、92年に市営になった。関東大震災で被災後、西区に移転しその後東京ガスになった。
藤沢市所有の市道(葛原)が、県から土砂埋め立てを許可された民間業者によって埋め立てられた問題で、許可区域(約9500平方メートル)を含む一帯(約30ヘクタール)が、文化財保護法で開発が厳しく規制されている「埋蔵文化財包蔵地」に指定されていることが23日、分かった。同法で義務付けられている土木工事の届け出がないことから、県教育委員会文化遺産課は「文化財保護法違反」と指摘。「(県藤沢)土木事務所が(許可前に業者を)指導してほしかった」としている。 現在、土砂埋め立ては中断しており、今後、市による現地調査を踏まえ、県教委が試掘の必要性について判断する。 文化財保護法では、埋蔵文化財が埋まっている可能性が高い地帯を「埋蔵文化財包蔵地」と位置付け、都道府県が調査の上で指定、台帳に記載している。包蔵地で土木工事などを行う場合、着工の60日前までに文化庁長官へ届けなければならないと定めている。 今
小田原市は21日までに、小田原城址公園(同市城内)の「御用米曲輪(ごようまいぐるわ)」で徳川家の家紋が施された屋根瓦片が多数出土したと発表した。過去にも出土していたが、市文化財課は「瓦に徳川家の家紋が使われるのは全国的にもごくまれ。小田原城の特異性がうかがわれる」と分析している。 同課によると、家紋は「三つ葉葵文」で江戸幕府を開いた徳川家が使用していた。家紋が確認される瓦片は、市が同曲輪で進めている発掘調査で5月7日以降、これまでに約60点が相次いで見つかった。 この瓦は「軒丸瓦(のきまるがわら)」と呼ばれている。南側の天守閣に近い「鉄(くろがね)門」があったとされる付近の地層にまとまった形で残っていたという。 同曲輪は、これまでの調査で幕府の米を備蓄する米蔵の集積地であったことが分かっている。6棟が描かれた古絵図も存在しており、1982年に行われた最初の発掘調査で、同様の瓦片が約4
東日本大震災の被災地で、首都圏の大学生が津波被害で閉校予定の公立中学校の体育館に自分の名前をいたずら書きした。「軽い気持ちだった」。学生らは後日、学校側にそう謝罪した。だが、落書きは消せても、被災者に残った苦い記憶は、簡単には消せそうにない。震災から、間もなく2年が経過する。 「このたび残念なことがありました。壊滅的な被害のあった学校の体育館建物内に、記念に名前を書いて帰ったのです。神奈川県の住人です」 神奈川新聞社宛てにそんな電子メールが届いたのは、昨年12月23日。津波で甚大な被害を受けた宮城県東松島市でボランティア活動をしている40代の男性からだった。 添付写真には、3人分の名前と住所。市立中学校の体育館の演壇に書かれていた。 2011年3月11日、海岸から200メートルほど離れた学校は校舎の2階まで津波にのまれ、全壊した。午前中に卒業式があり、生徒の多くは帰宅していたが、自
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