いまも過去最高の純利益を更新し続ける世界最大の自動車メーカー・トヨタ。なぜ同社はピンチに陥っても復活できるのか。トップの優れたリーダーシップの秘密は何か。トヨタを最もよく知る米ミシガン大学ジェフリー・ライカー教授が“快走”の理由を語り尽くす。 メディアの標的になった理由 トヨタは2009~10年の大規模リコール問題で危機に陥りましたが、今ではすっかりカムバックを果たしたと言えます。 あの危機でトヨタが学んだことの一つは「世界最大の自動車メーカーになるとメディアにターゲットとして狙われる」という現実です。背中に特大の標的を背負うようなものです。その標的を撃ち抜こうとして、メディアが銃を一斉に構えている――という現実に気づいたと言っていいでしょう。 以前のトヨタは、比較的小さな会社でした。態度もおとなしく、できるだけ目立たないように振る舞っていました。 1980年代から90年代の初めまで、日本