モラル・ハザード - 池田信夫 blog

最近の金融危機をめぐる報道で、「モラル・ハザード」という言葉がよく出てくる。新聞ではたいてい（倫理の欠如）と補足しているが、これは誤訳である。この言葉は保険用語で家の燃えやすさなどの"physical hazard"（物質的危険）と対になる概念で、Slateの記事にも書かれているように、moralは「倫理的」という意味ではなく"perceptual or psychological"という意味だ。つまり"moral hazard"は、保険に入ったことで防火を怠るなどの「心理的危険」のことである。 この言葉を経済学で初めて使ったのはKnightで、保険用語として使っている。これを情報の非対称性との関連で使ったのはArrowだが、ここでも「プリンシパルから見えないエージェントの行動」というテクニカルな意味で、道徳とは関係ない。日本では、内田樹氏のように「悪事」一般と混同する人も多く、「金儲け

[castle]

「moralは「倫理的」という意味ではなく"perceptual or psychological"という意味だ。つまり"moral hazard"は、保険に入ったことで防火を怠るなどの「心理的危険」のこと」「モラル・ハザードは情報の非対称性を利用する合理的行動」

[y-Aki]

意味が違う用法については違う単語を使うべきなんだが、いい単語がないな。

[norix31]

保険に入ったことで防火を怠るなどの「心理的危険」のことである。

[BUNTEN]

正しい用語解説。

[eureka1]

最近の金融危機をめぐる報道で、「モラル・ハザード」という言葉がよく出てくる。新聞ではたいてい（倫理の欠如）と補足しているが、これは誤訳である。この言葉は保険用語で家の燃えやすさなどの"physical hazard"（物質

[takeshiketa]

へーそうなんだ。政治家が反対の原因って米国の政治家も誤解してるのですかね？難しいね

[kikai-taro]

「moralは「倫理的」という意味ではなく"perceptual or psychological"という意味」

[mangakoji]

定義時はそうだったんだろうけど、今はどうなの?という視線が抜けてる。この人はいつもそうだ。

[OkadaHiroshi]

専門用語。そういえばリスクも一般に考えられているのと金融で使われているのとかなり意味が違う。金融用語は専門用語にもかかわらずニュースなどで一般に使われるので注意が必要だと思う。

[shinyai]

この言葉が金融で使われるようになったのは、1980年代のS&L危機のときで、貯蓄組合が高金利の預金をジャンク債などのハイリスク商品で運用し、失敗しても預金保険で救済されるという本来の保険用語で使われた。これ