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憂鬱な読書:『陰謀史観』 - そして、人生も映画も続く
秦郁彦著の新書『陰謀史観』を読んだ。最近、『まんが パレスチナ問題』や『ネットと愛国』などを読ん... 秦郁彦著の新書『陰謀史観』を読んだ。最近、『まんが パレスチナ問題』や『ネットと愛国』などを読んで、ユダヤ人の陰謀とか朝鮮人の陰謀とかの考えに馴染んだからかもしれない。しかし陰謀史観を歴史的にたどったこの本を読むと、いよいよ憂鬱になる。 そもそも日本国内には、明治維新以前から、吉田松陰などによる対外膨張構想があった。多くは中国、朝鮮を支配し、アジアの盟主になるべしというものだ。明治以降も、西郷隆盛らによる意見書が次々と出る。そしてそれは次第に大アジア主義、東亜共同体論、大東亜共栄圏へと発展し、日本の対外進出を正当化する。そこには米国の陰謀という言葉が見え隠れする。 敗戦後、連合軍はこうした「世界征服計画」を取り上げ、逆に日本人に対する陰謀史観を作り上げる。特に「田中上奏文」という文書が問題になったという。これは田中義一総理大臣が天皇に提出したとされる「世界征服計画」の最たるものだが、全くの
2012/12/09 リンク