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自動車の社会的費用 - 宮前研究所
宇沢弘文氏が1974年に執筆した名著「自動車の社会的費用」(岩波新書)を取り上げます。 「本来、自動車... 宇沢弘文氏が1974年に執筆した名著「自動車の社会的費用」(岩波新書)を取り上げます。 「本来、自動車の所有者あるいは運転者が負担しなければならないはずであったこれらの社会的費用を、歩行者や住民に転嫁して自らはわずかな代価を支払うだけで自動車を利用することができたために、人々は自動車を利用すればするほど利益を得ることになって、自動車に対する需要が増大してきたのだ、ということができよう。そして、自動車の保有台数が増加して、道路が混雑してきたときに、道路を拡大し、また建設し、そのキャパシティを大きくすることで混雑現象を解決しようとしてきたため、自動車通行がますます便利なものとなり、自動車の保有台数がさらにいっそう増加し、また道路が混雑してゆくという悪循環を生みだしてきたのである。」(P.78-79) 社会的費用とは、「ある経済活動が、第三者あるいは社会全体に対して、直接的あるいは間接的に影響を