「未来を破壊する」を読んで

何やら物々しいタイトルの書籍、「未来を破壊する」。この本は２０１０年にジョー・ウェブ博士とリチャード・ロマノ氏の共著で、日本版はの２０１２年６月、山口実氏（日本フォーム印刷工業連合会・専務理事〉監修、山下純一郎氏の訳で出版された。最近業界の一部で話題になっている本である。 ジョー・ウェブ博士は印刷業界の著名なコンサルタントであり、リチャード・ロマノ氏は印刷業界専門の文筆家だ。サブタイトルは ―― 厳しい印刷業界の進路を示す「新しい常識」――となっている。 ウィンドウズ９５が出現しインターネットが普及するまで、印刷物は販売促進をする上で必要不可欠なツールであり、その中でも大量生産の象徴だったチラシの役割はとりわけ重要だった。 ２１世紀に入り、デジタル技術の発展は更にＩＣＴを加速させ、広告業界の媒体は多様化し、マーケットのセグメントも細分化されてしまった。かつて大量の印刷物を生み出した紙媒体の