今週の本棚・著者：平野啓一郎さん 『本心』 | 毎日新聞

◆平野啓一郎（ひらの・けいいちろう）さん （文藝春秋・１９８０円） どう生きるかを問う 「社会が変化し続ける限り、文学も終わらない」。そう語り、小説を通じて人間の心のあり方や、社会との関係を問うてきた。新作の舞台は、「自由死」（安楽死）が合法化された近未来の日本。主人公の青年は、自由死を望みながら事故で命を落とした母を、人工知能（ＡＩ）と仮想現実（ＶＲ）技術で再生し、その「本心」を探ろうとする。 「この数年、取材などで未来について聞かれることが増えました。僕自身、子供が２人いて、その子たちの将来を考えることがあります」。本作で向き合ったのは、我が子が生きるかもしれない未来の姿でもある。

[kobonemi]

“一方で「安楽死」を巡る安易な議論には「死を社会的弱者に押し付けることになる」と警鐘を鳴らす。「僕は自分が死ぬのも怖いし、死を美化し、称揚するどんな思想にもくみしない。(…)」。”

[taketake89]

“「この数年、取材などで未来について聞かれることが増えました。僕自身、子供が２人いて、その子たちの将来を考えることがあります」。本作で向き合ったのは、我が子が生きるかもしれない未来の姿でもある”