ミニ論点：気候変動と地政学、不可分 関山健・京都大准教授（気候安全保障） | 毎日新聞

気候変動問題と地政学は不可分だ。ウクライナ危機はロシアの天然ガスに依存する欧州のエネルギー政策と気候変動対策に影響を与えた。それが飛び火し、他の資源国では化石燃料増産に向けた動きが始まった。北極圏では、ロシアや、ロシアと結託する中国の無秩序な進出にタガをはめる平和利用の枠組みが機能しなくなることも危惧される。 地球規模での気候変動対策に与える影響は、短期的にはプラス要素を挙げるのが難しい。ロシア産天然ガスの代わりに温室効果ガス排出量の多い石炭への依存を一時的に高める国が出るのは間違いない。各国の政治課題で気候変動対策の優先度が下がるのも心配だ。