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理の眼:出所後に見た社会は=青木理 | 毎日新聞
日本赤軍の最高幹部だった重信房子氏が刑期を終えて出所したのは先月28日。大阪潜伏中の逮捕から数えれ... 日本赤軍の最高幹部だった重信房子氏が刑期を終えて出所したのは先月28日。大阪潜伏中の逮捕から数えれば22年、「革命のための国際根拠地」を求めて出国してから数えれば実に半世紀、この国の変化は彼女にとって隔世の感があるでしょう。 日本赤軍が数々の事件を起こした1970年代は、この国が高度経済成長を遂げて世界2位の「経済大国」に躍り出た直後。とはいえその歪(ゆが)みも社会の随所に表れ、世界的に高揚した学生運動や左派運動、そして東西冷戦なども背景とし、「革命」といったイデオロギーや「虐げられる者の側に立つ」といった正義に憑(つ)かれた若者たちが事件を引き起こしたのです。 だからといって事件を容認することなどもちろんできないにせよ、同じく70年代に起きた東アジア反日武装戦線による連続企業爆破事件もそう。経済大国となった「日帝」が再びアジア各国に「経済侵略」していると捉え、少数者への差別などに憤り、組