心臓手術後に患者死亡 事故報告拒んだ国立病院 学会重鎮が批判 | 毎日新聞

「日本トップの病院」で心臓手術を受けた患者が亡くなった。事故調査を求める遺族に対し、病院側は1年半以上にわたって拒み続けていた。「患者中心の医療の理念に反する」。学会の重鎮が論文で公然と批判する事態になってようやく、病院は第三者機関に報告し、真相解明に向けて動き出している。 死亡した患者が手術を受けたのは国立国際医療研究センター（NCGM、東京都新宿区）。高度専門医療を担う厚生労働省所管の国立研究開発法人で、新型コロナウイルス感染症の患者の診察や対策で中心的な役割を果たしてきた「ナショナルセンター」としても知られる。 2020年12月10日、NCGMで、都内の70代男性が手術を受けた。遺族によると、男性は心臓内で血液の逆流を防ぐ弁がきちんと閉じない「僧帽弁閉鎖不全症（そうぼうべんへいさふぜんしょう）」だった。 手術記録などによると、執刀医は右胸を小さく開いて内視鏡などを入れて操作する「低侵