nix in desertis:書評：『怪帝ナポレオン３世 第二帝政全史』鹿島茂著，講談社学術文庫

古典的名著だが，なぜこのタイミングで取り上げるかというと，とうとう本書の内容が高校世界史に降りてきたという喜ばしい事態が訪れたゆえである。そこで，本書の内容を簡潔に取りまとめておく。 これまでのナポレオン３世の業績というと，以下のように説明されていた。 「ナポレオン３世は叔父の人気によりかかって政権を奪取した。前期は権威主義的に政権を運営し，労働者と資本家の対立を煽り，その勢力均衡を図って政権を維持した（いわゆるボナパルティズム）。しかし，１８６０年以降となると民主化の要求に耐えられなくなり，立憲帝政へ移行していった。外征を繰り返したのも，国民の人気を保とうとしたがゆえであった。ゆえに戦敗がかさむと政権が倒れた。」 このような説を唱えていたのはカール・マルクスとヴィクトル・ユゴーの二人であり，２０世紀も末になって彼らの権威が崩れ，ようやく実証的な研究が進んできた。これらの説明はほとんどデタ

[DG-Law]

実際，本書にしろ近代フランス史の本を読むと至るところにサン・シモン主義が出てきて，影響の巨大さにびびっとる今日この頃です。

[wackunnpapa]

この本は分厚いし第二帝政があまりなじみのないものではあるけど，面白いしとっつきやすい文章なのでオススメです。

[kousyou]

最近読んでいる「近代都市パリの誕生」でも当時の技術官僚たち共通の思想としてサン・シモン主義があったとのことでナポレオン３世だけでなくフランス近代化の思想基盤として捉えるべきなんだろうなと

[haruhiwai18]

"サン・シモン主義では階級対立は起こりえず，産業の発展が貧困を根絶する。彼は，そのためには政府の積極的な関与が必要であると考えていた"　→サン・シモン主義の影響の大きさは異常(こなみ http://urx2.nu/gk1s

[shigak19]

フランス政治思想ってプルードンとかも面白そうではあるんだけれど、なかなか機会が。私の場合まず森政稔の新書からになっちゃう/こういう君主の側の再評価を潜ってから喜安朗の民衆運動史を再読するとどうなるかな

[hoozuki37]

｢やばいと思ったが性欲を抑えきれなかった。｣