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nix in desertis:書評:『まなざしのレッスン2』三浦篤著,東京大学出版会
本書は大学の学部生向けに書かれた西洋美術史学入門書『まなざしのレッスン』の続編である。1巻は私の... 本書は大学の学部生向けに書かれた西洋美術史学入門書『まなざしのレッスン』の続編である。1巻は私の知りうる限り最優秀の美術史学入門書である。「西洋美術は一種のパズルである」ことを示し,なぜ絵画を見るためには知識が必要なのかを説き,絵画に関する基礎知識について概説している。そこに趣味としての美術鑑賞の,学問としての美術史学の入り口が用意されているのである。入門書であるので平易な語り口であり,また読む上で必要な知識を極力減らしてあり,大学入りたての文系大学生や,西洋美術というものに疑問を持つ社会人がいかにもいだきそうな疑問にちょうどよく答える名著であった。その意味では必ずしも美術史学を専攻する予定の学生の入門書というより,入門する気のない人たちにとっての方が好都合な本だったとさえ言えるかもしれない。知識を覚えるための本ではなくて,「なぜ知識を覚える必要があるのか」という説明の方に徹底しているから
2016/06/18 リンク