【発信者側で非開示】VTuberへ「親ガチャ失敗」と述べた事例｜深澤諭史

0．はじめにこれは、私が、発信者側（発信者情報開示係る意見照会書の作成）あるいは、プロバイダ側、つまり投稿した側で裁判案件を実際に担当したケースの解説です。 裁判所が、開示すべきではないと判断した事例に限って（それを前提にする取り下げも含む。）紹介しています（説明等のため、事案を抽象化・加工しています。）。 1．事案の概要人物毎に、「好き」「嫌い」を投稿できる匿名掲示板における事例です。 本件では、VTuber（請求者）の名前を冠したスレッドがありました。そこに、発信者が「親ガチャ失敗」という趣旨の投稿をしました。 請求者は、この投稿は、自分の人格や自分の家庭を侮辱したものだとして発信者情報の開示を求めました。 2．問題の所在「親ガチャ」という言葉をご存じでしょうか。 お金を入れてダイヤルを回すと、ランダムにカプセル入りの商品が排出される販売機があります。その操作音から「ガチャガチャ」とい