「人的資本の実態、貸借対照表で可視化せよ」 一橋大・中野誠教授

たとえば株主資本は財務諸表の貸借対照表（バランスシート、BS）にきちんと計上されていますし、これがいかに効率的に活用されているのかも一目瞭然です。翻って人的資本はどうでしょうか。男女賃金格差や男性の育休取得率など、人的資本関連の開示項目はいくつもあります。ただ、これらはいずれも労務管理の指標であって、人的資本そのものを表現したものではありません。結局のところ人的資本は文字通り「資本」なのか、あるいは「資産」なのか、この点ですら、はっきりとしていないのです。 これまでの議論を追う限りは、人的資本はどちらかと言えば「資産」に近い概念として用いられているように思います。BSでは左側（借方）に計上されるものですね。従業員の知識や能力が、企業の将来の利益を生み出すとすれば、その一部を資産として計上することに不都合はないはず。ただ、国際会計基準（IFRS）で計上される開発資産など一部を除き、人的資産は

[mmaka2787]

リース会計などのように雇用契約に伴い人件費資産と人件費負債を計上する(自己創設のれんは計上しない)になるのだろうけど、それが明らかにするのは人材は会計上負債で将来の費用という点。スリム化圧力が高まるだけ