ライトノベルの誘惑――エンタメ小説家の失敗学10 by平山瑞穂｜光文社新書

平山さんの最新刊です。 第２章 功を焦ってはならない Ⅳライトノベルの誘惑 功を焦り、下手を打ってしまったという点で、この『シュガーな俺』の発表はひとつの失敗を物語るケースといえるが、寸前で踏みとどまった経験も、僕にはある。それについても、この章で併せて明かしておこう。 時期的には『シュガーな俺』が出た翌年くらいのことなのだが、僕はある編集者から執筆の打診を受けていた。その人のことは、仮にＹ氏と呼んでおこう。実はＹ氏は、もともと僕の個人ブログにおける常連コメント投稿者の一人でもあり、リアルでの面識はないまま、コメント欄を通じての交流があった。その後、某出版大手のライトノベル編集部に職を得たＹ氏が、今度は一編集者として声をかけてきてくれて、そこで初めて顔を合わせる次第となったのだった。 そう、彼が提示してきたのは、ライトノベルを書いてみないかという申し出だった。 その時点で、ライトノベルと呼

[y_nishimura_728]

上げられた作品が出た時期から推定すると、確かにまだ少し断絶のある頃だわ。2006年ならライト文芸のはしりになると思われる「図書館戦争」がヒットした年で、ラノベ周辺からハヤカワJAへの作家の展開が活発な頃。

[Shin-JPN]

2007年だと確かにまだラノベが「何でもあり」だった最末期の頃。その後ラノベ出身作家の越境流出となろう系隆盛の挟撃で洗練され、萌え文化の中でハイコンテクストな差異を競うテクニカルなジャンルになってしまった

[srpglove]

デビュー作ともう一作読んだだけだけど、どちらかといえば人間をマンガ的に描くような作家でも、未遂とはいえラノベを書くかどうかここまで葛藤しなければいけないぐらい、文化的な断絶があるんだなと改めて実感した

[natu3kan]

ラノベの3か月に一冊って、それなりに速筆じゃないと小説一本で他の仕事ができない程度のペースで書かないといけないから大変そう。

[wosamu]

2006－2007つうと図書館戦争がヒットして桜庭一樹が直木賞レースの主役だった時期ですよね？ラノベ的にはなにが主役だったかな・・・ラノベ一杯買ってた時期だなあ。トピックとしてでも狼と香辛料、とらドラ！、ゼロ魔

[Fubar]

2006年といえば狼と香辛料や化物語が出た頃、ハルヒのアニメも放映中。その翌年にオファーか、あの頃はオタ差別きつかった。こっから三年は上り調子だったし出版まで一年としても乗ってもよかったのではという印象。

[Lian]

『ラス・マンチャス通信』は好きだったので、断ってしまったのは残念だな。『３・１５卒業闘争』とかそっち系の作品も時々出してはいたけど

[yarumato]

“個人ブログの常連コメント投稿者が、某出版大手のラノベ編集者となって声をかけてくれた。彼が勧める作品をひとまず虚心坦懐に読んでみると意外にも作風は自由奔放。兼業で年間3冊それに専念していいのか”

[kenzy_n]

ソノラマ文庫やコバルト文庫などで凄いビッグネームな方を見かけた思い出が。

[ichise]

編集者が声をかけたということは、いつもの作風そのままでラノベとして出版可能との判断だったんだと思うんだけど、この編集者は何を説明してたんだろう？