米・選挙の「人種差別撤廃法」/存廃めぐり議論白熱

米最高裁で選挙権に人種差別を認めないことを定めた｢投票権法」をめぐる裁判が始まりました。議会が二〇〇六年に同法を二十五年延長したことの是非を問うものですが、初の黒人大統領が誕生するもとで、同法の要・不要が議論となっています。 来月にも最高裁判決 同法は一九六五年、人種差別を合法化していた南部諸州で、黒人の選挙権を保障するため制定されました。第五条で、過去に人種差別を行った州・自治体が選挙のやり方（選挙区割りや投票所の設置場所など）を変える場合、事前に連邦政府の許可を必要とすると定めています。 今回の訴えは、テキサス州オースティンで上下水道を管理・運営する公選の委員会が起こしたもの。原告側のコールマン弁護士は「オバマ氏を最初の黒人大統領に選んだ米国は、一九六五年に投票権法を初めて制定した米国とはまったく違っている」と述べ、同法は“時代遅れ”だと主張しています。 最高裁は四月二十九日に口頭弁論