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宇宙の風ぐるま ウォルフ・ライエ星の謎|日経サイエンス
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宇宙の風ぐるま ウォルフ・ライエ星の謎|日経サイエンス
「ウォルフ・ライエ星」というタイプの恒星を説明するには,最上級の形容詞をいくつも重ねる必要がある... 「ウォルフ・ライエ星」というタイプの恒星を説明するには,最上級の形容詞をいくつも重ねる必要がある。このとてつもなく熱くて明るい星は,宇宙の恒星の中で最も大きく,最も高温で,最も珍しい部類の星だ。最も大質量の星(太陽の20倍から200倍超の質量を持って生まれた星)が,その一生を終える最終段階の天体だと考えられている。 そうした最重量級の星は青色で極めて光度が高く,燃料となる膨大な量の水素を短期間で燃やし尽くすので,その一生は太く短い。燃え尽きる間際には大量の物質が高密度の恒星風となって驚くほどのスピードで流れ出ていく。そして燃料を使い果たすと自らの重みに耐えきれずに崩壊する。その大変動を私たちは超新星として観測する。 ウォルフ・ライエ星の段階になった大質量星の余命は長くて数百万年で,100億年という太陽の寿命に比べれば一瞬だ。星のタイプの中で大質量星はそもそも数が少ないので,ウォルフ・ライエ