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物語を語ることによって、自分の経験を客観化する|佐渡島庸平(コルク代表)
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物語を語ることによって、自分の経験を客観化する|佐渡島庸平(コルク代表)
ぼくにとって、読書とは「作者との対話」だ。 「なぜこの一文を書いたんだろう?」「あえてこの言葉を選... ぼくにとって、読書とは「作者との対話」だ。 「なぜこの一文を書いたんだろう?」「あえてこの言葉を選んだのはどういう理由だろう?」と考えながら、一文一文を読んでいると、頭のなかで作者と会話してるような気分になる。 ぼくは、作者が書いている内容に共感してではなく、それを書こうとしている作者の姿勢や生き方に共感して、その作者を好きになるのだろう。 村上春樹の『風の歌を聴け』の冒頭に、こんな文章がある。 今、僕は語ろうと思う。 もちろん問題は何ひとつ解決してはいないし、語り終えた時点でもあるいは事態は全く同じということになるかもしれない。結局のところ、文章を書くことは自己療法の手段ではなく、自己療法へのささやかな試みに過ぎないからだ。 『風の歌を聴け』村上 春樹 (著)自分の中で折り合いをつけられていない経験や感情を、物語として描いてみることで、向き合おうと試みる。そんな風に、生きることと創作がリ