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【国家を哲学する 施光恒の一筆両断】「日本称賛ブーム」の光と影
日本を称賛する本やテレビ番組が増えています。書店に行けば、『外国人だけが知っている美しい日本』と... 日本を称賛する本やテレビ番組が増えています。書店に行けば、『外国人だけが知っている美しい日本』といった本を数多く目にしますし、テレビ番組でも、日本語に長けた外国人が、治安の良さや人々の勤勉さ、職人気質(かたぎ)、思いやりの心など、日本の良さを褒める姿を毎日のように見かけます。 日本を称賛する本や番組が増える現状を「ナショナリズムの高まりだ」などと批判する評論家もいますが、私は、悪い点ばかりだとは思いません。 20年近く不況が続くという異常事態のなかで、多くの日本人が自信を喪失し、閉塞感を抱いています。そういう状況のもと、自らの美質を改めて認識し、明日への活力としたいと願うのは人間の自然な感情です。 また、バランスの回復という面も見てとれます。昨年夏に朝日新聞の「従軍慰安婦」の虚報が白日のもとに晒(さら)されたように、戦後マスコミの自虐的傾向が是正されつつある、とみなすことも可能でしょう。
2015/09/01 リンク