＜社説＞防災の国民会議 「わがタイムライン」を：東京新聞 TOKYO Web

防災の基本は、いかに想像力を働かせ、「そのとき」に備えられるかにあろう。「いつ」「誰が」「何を」するか−。関係者・機関が事前に各自の役割を話し合い、時系列でまとめたタイムラインの普及を目指し、十三都道府県の三十四市区町村が「全国ネットワーク国民会議」を立ち上げた。 議長には三重県紀宝町の西田健町長が就いた。二〇一一年の紀伊半島豪雨被害を受け国内初のタイムラインを一五年に策定した紀宝町と同じく、深刻な水害を経験した熊本県球磨村や茨城県守谷市などが名を連ねた。 これとは別に、大規模河川の流域では国土交通省が主導し、ほぼ全市区町村でタイムラインが策定済み。しかし、国民会議発起人の松尾一郎・東京大院客員教授は、大半は「避難指示の発令」に主眼が置かれ、住民や地域の視点から見た有効性には乏しいと指摘する。