国連のシリア支援が終了危機 アサド政権後ろ盾のロシアが拒否権、延長巡り米欧と溝：東京新聞 TOKYO Web

【ニューヨーク＝杉藤貴浩】国連安全保障理事会（１５カ国）は８日、内戦が続くシリアへの越境人道支援の事業を巡り、米欧とロシア・中国が推す２つの延長決議案をいずれも否決した。ウクライナ情勢を巡り双方の溝が深まる中、更新期限の１０日に妥協案に合意できなければ、「今世紀最悪の人道危機」とされるシリアの窮状がさらに悪化する恐れがある。 支援事業では、シリアとトルコ国境のバブアルハワ検問所を通じ、シリア反体制派が拠点を置く北西部イドリブ県に食料や医療品などの物資を輸送している。米欧側は今回、ノルウェーとアイルランドが事業を実質的に１年間延長する決議案を提案。米英仏など１３カ国が賛成したが、シリアのアサド政権の後ろ盾であるロシアが拒否権を行使し、中国は棄権した。 ロシアは、アサド政権の許可なしにイドリブ県へ物資を搬入するのは反体制派を利するとの思惑から、１年間の延長に難色を示してきた。ポリャンスキー国連