中小企業の虎の子技術を引き出す“目利き”のネットワーク

──ウェブ展示会のサービスから着想をどう変えたのか。 ITの活用だけではうまくいかない。“人力”の重要性に思い至り、人力×ITで本質的なマッチングができないかと考え直した。財産となったのが、eEXPOの際に中小企業を紹介してくれた自治体や商工会、産学連携機関などのコーディネーターだった。地元企業を知りつくし、「この技術はあの企業が得意だ」ということも分かる、目利きの人たちだった。eEXPOのおかげで、自ずとコーディネーターのネットワークが何百人という規模で出来上がっていた。このネットワークを使わない手はないと考え、たどり着いたのがリンカーズだ。 eEXPOがうまくいかなかった理由の1つは、シーズからアプローチしたことだ。例えば、5万人ぐらいのエンジニアがいる企業に、中小企業が技術を売り込んでも、必要としている人は簡単には分からない。そこで逆の発想をすることにした。5万分の1から始めようと…