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漢字は廃止できるか?
漢字を廃止しようという主張は、幕末に前島密(まえじま・ひそか)が将軍に「漢字御廃止之儀」を出して... 漢字を廃止しようという主張は、幕末に前島密(まえじま・ひそか)が将軍に「漢字御廃止之儀」を出してから、何度も繰り返されてきた。しかし、実を結ぶことはなく、今日ではすっかり力を失っている。明治以降の膨大な出版物の量を考えれば、漢字を廃止することによってそれと切れることの損失を考えれば、漢字廃止論はすっかり非現実的なものとなっている。しかし、漢字廃止論の後遺症は意外と根深い。日本語への関心と愛情は、文字表記を含めた日本語の特質を客観的に教えることでしか養えない。日本語の文字表記が何か遅れたものであるかのような印象をばらまいているという点で、漢字廃止論の後遺症には、軽く見ることができないものがある。 漢字廃止論の主張の骨子は、ローマ字がたった26字で間に合うのに対して、漢字の種類が膨大であるということである。そのために近代化が遅れるという主張は、その後の歴史によって論拠を失ったが、能率が悪いので