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大阪府立成人病センター研究所生物学部門長 伊藤和幸 がん細胞はどんどん増え続けるだけでなく、周囲... 大阪府立成人病センター研究所生物学部門長 伊藤和幸 がん細胞はどんどん増え続けるだけでなく、周囲の組織へ広がり(浸潤)、血液やリンパの流れに沿って、遠くの臓器へ引っ越して、やがてまたそこですみかを作って大きくなります。これが転移と呼ばれる現象で、がんができた場所(原発巣)のコントロール(外科治療、化学療法、放射線治療など)がうまくいっても、最終的に転移巣が大きくなって、予後不良となります。まさに、『転移を制すものはがんを制する』というくらい、転移は悪性化の最たるものです。 生物学の進歩により、転移のしくみも科学的に論じられるようになってきました。ここでは、最も頻度の高い血管を介した転移の仕組みとその治療薬の取り組みについて紹介します。 原発巣で大きくなったがんの固まりは一様ではなく、その中で運動能力や周りの組織を破壊する能力(細胞の移動を妨げるがんの周りのコラーゲンなどの繊維組織を分
2011/06/24 リンク