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黒田日銀が物価目標達成を延期した真の理由
<黒田日銀は、完全雇用の実現という最終的な政策目標を、約束の期限内に達成できなかった。しかし、そ... <黒田日銀は、完全雇用の実現という最終的な政策目標を、約束の期限内に達成できなかった。しかし、それは「失業を減らして雇用と所得を拡大させる余地が事前の想定以上に残されていることが明らかになった」という、よい意味で想定外の事態だった> 筆者は11月4日付けの拙稿「黒田日銀の異次元金融緩和は『失敗』したのか」の最後で、「異次元金融緩和政策が成功していることは明白である。唯一問題があるとすれば、それは、完全雇用の実現という最終的な政策目標を、約束の期限内に達成できなかった点のみにある。それをどう考えるべきかについては、稿を改めて論じたい」と述べた。本稿は、その目的を果たすためのものである。 本来的に困難な不確実性下の「期限の約束」 日銀に限らず、現代世界の中央銀行の多くは、インフレ目標という枠組みを用いて金融政策を運営している。それは、「消費者物価指数のような何らかの物価指標の上昇率に2%程度の
2016/11/25 リンク